楽焼きの説明 | 堀井陶芸 陶芸家 陶芸教室
 アメリカン・楽は、日本の伝統的な楽焼きが欧米で発展し、確立した焼成方法です。日本の楽焼きは、イギリス人陶芸家バナード・リーチらによって 外国に紹介されたとされています。当時の欧米の作家にとって、1000度以上に熱せられた茶碗を水の中で急冷する黒楽の技法や、木の葉やおがくずなどで いぶしながら釉薬に変化をつける方法は、とても新鮮に映りました。とくに、即興性のあることに、合理主義的な欧米人作家には、より魅力的なものになった様です。
 1960年代に米国人陶芸家ポール・ソルドナーによって、おが屑等の燃えやすい素材で還元効果(以降 ポスト・ファイリング)を行う現在利用されてい方法が確立されました。
*アメリカン・楽の特徴
 日本の伝統的な楽釉では、鉛を使う事が多いが、アメリカン・楽ではアルカリフリットを主原料とする。日本の楽釉も鉛害の問題があり、アルカリフリット、耐酸性フリットも使われるようになっている。)
焼成後還元効果(ポスト・ファイリング)をかける。アルカリ釉を使うことで、貫入が入りやすくなり、焼成後の還元効果で貫入にすすが入り黒くなる。
楽焼き

 
アメリカン・楽ではアルカリフリットを主成分にするため釉薬面に貫入が入ります。ポスト・ファイリングにより、貫入はススがひり込み黒くなります。
 貫入は素地の厚さ、焼成後ポスト・ファイリングするまでの時間の長さなどにより、状態が変わります。
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*素地について
アメリカン・楽では、800度以上で急熱急冷をするため、素地の選び方が重要です。陶芸教室では楽白土を使いましたが、幸い大きくひびの入った作品は1点もありませんでした。多孔性を高めるために信楽土に10%から20%のシャモット、又は童仙坊を混ぜても良いと思います。
 素焼きは900度から1000度ぐらいが適当と思われます。釉薬は800度~820度で溶けてしまうので、通常の素焼きより高温にしないと非常にもろい物になってしまいます。ただし1000度を超すと素地のガラス化が始まり釉薬が塗りに
*成形での注意点
 アメリカン・楽の作品の制作にはどのような成型方法でも良いのですが、あまり厚くしすぎないように注意しました。(1cm以下)やはり1番の問題点は、パーツ同士を接着したときです。普段の高火度焼成よりより注意が必要です。
子供 陶芸
*釉掛けについて
参考図書
ピーター・コセンティーノ 「陶芸の技法百科」 グラフィック社
クリスティーン・コンスタント スティーブ・オグテン 「焼き物の釉薬」
丹下 裕史 「楽焼きの実践と考察」
 アルカリフリットは非常に沈殿しやすいため、ふのり、またはCMCを混ぜよく攪拌します。釉薬により厚みが若干異なりますが、あまり厚掛けするとあばた状になります。塩化マグネシウムやにがりなどの添加も有効です。